信州山里だより

2014-01-16

山野草の楽しみ・・・山歩き総集編6


これまで5回シリーズで昨年1年間に採って来た山菜、きのこを
全部ではありませんが、時系列でご紹介してきました。

今回から2回にわたり、その間に出会うことができた
可憐な花々をご紹介しましょう。

今回は春の花です。
里山で春一番の花と言うと、ダンコウバイでしょうか。
まだほとんど褐色がかった山の中にあって、
部分的に黄色の霞がかかったように見えるのがダンコウバイ。

小さな黄色の花が枝全体に付くのでそんな風に見えますが、
近づいて見ると、香水のようなやや強めの香り。
ほのかに香っていると悪くない匂いですが、
近づきすぎると強烈で嫌味な臭い。
昔、朝鮮では種子から油を取り頭髪用に用いたとか。



ダンコウバイ20130406dankoubai.JPG

 


続いて咲き出すのがキブシ。
房状に花が付き独特の雰囲気を持っていますが、
実にはタンニンを多く含み、昔お歯黒の原料にも使われました。



キブシ20130406kibushi.JPG

 


さらに続いてクロモジの花も咲き出します。
ご存知、爪楊枝の代名詞でもあり、原料でもある香木です。
繊細な枝を折ってみると、甘いジンジャーのような香りがします。
昔は香料として化粧品や石鹸などに利用され、
又根や枝は漢方薬として様々に利用されました。
花も可憐で私の好きな花の一つです。


クロモジ20130420kuromoji.JPG

 


木の花が先行しますが、徐々に地面も賑やかになっていきます。
野から里山では、カキドウシ、スミレ類、ケマン類、
ショウジョウバカマ、シュンラン、ウスバサイシン......。

身近に出て来る草花を調べてみると、実に多くのものが
民間薬として昔から利用されていて、先人の知恵に驚かされます。

例えばカキドウシは
さわやかな香りのする和製ハーブとも言える草ですが
昔から疳の虫の妙薬として虚弱児の強壮剤に用いられ、
その他糖尿病を始めとして様々な薬効が認められています。


カキドウシ201304kakidousi.JPG


ミヤマスミレ20130414miyamasumire.JPG



キケマン20130420kikeman.JPG

 


ショウジョウバカマ20130420shoujoubakama.JPG



シュンラン20130420shunran.JPG

 


ウスバサイシン20130420usubasaisin.JPG

 


チゴユリ20130504tigoyuri.JPG

 


里山から深山に入っていくと
「清純」「可憐」といった言葉にふさわしい山野草が続々出て来ます。


ニリンソウ20130429nirinsou.JPG

 


エンレイソウ20130429enreisou.JPG

 


ヤマエンゴサク20130428yamaenngosaku.JPG

 


アズマイチゲ20130429azumaitige.JPG