信州山里だより

2015-05-20

先週の山歩き



標高1000m以下では山菜が最盛期となっていて
体がいくつあっても足りません。

地元の山菜採りに人気のあるエラ(ミヤマイラクサ)や
ウドブキ(ヨブスマソウ)はやや時期が過ぎつつあります。

エラのほんのり甘く、くせのないおいしさは万人向きで人気が高いようです。
ウドブキは山菜マニアの中では、一番に名前の上がる山菜ですが、
その上品で清冽な香りに魅了される人が多いようです。


エラ20150520-1.jpg

 

ウドブキ20150520-2.jpg

 


ミミジガサは東北ではシドケと呼ばれ、大変な人気ですが、
くせのある香りで、好き嫌いの分かれる山菜です。
地滑り地帯でぬれた急斜面に群生することが多く、
時には命がけで採ることにもなりかねません。



モミジガサ20150520-3.jpg

 

ソバナは慣れないとなかなか見分けがつかない姿をしていますが、
茎を折ってみると白い乳液が出てべたべたします。
こちらも急斜面がお得意なので、採るのになかなか大変です。
甘く、くせのないおいしい山菜です。


ソバナ20150520-4.jpg

 

ミズ(ウワバミソウ)は身近で大量に採れ、
又時期も長いので大変重宝する山菜です。
ただ、熊の好物でもあるので採るのに長居は無用です。

茎のお浸しは翡翠色をしていて見た目も涼やかでおいしい山菜です。


ミズ20150520-5.jpg

 


山野草を2点。
シロバナエンレイソウはエンレイソウの妹分とでも呼びたくなる
可憐で存在感のある山野草。
最近は白い花だけでなくピンク色のものが増えているような気がします。



シロバナエンレイソウ20150520-6.jpg

 

ルイヨウボタンは花は地味目ですが、葉が牡丹に似ています。
日陰の林の中にひっそりと群生しています。



ルイヨウボタン20150520-7.jpg

 

 

 

2015-05-13

先週の山歩き

戸隠山の雪も大分消えて山菜本番となりました。



戸隠山20150513-1.jpg

 

ユキザサは雪が消えるそばから芽が出て来て、
可憐な花を咲かせてくれますが、やはり食べるのは花が咲く前です。
ほんのり甘くくせのないおいしい山菜です。



ユキザサ20150513-2.jpg

  

トリアシショウマは林の日陰に群生する山菜ですが、
そのユニークな姿は間違えようがありません。
まさに鳥の足と言ったところです。


トリアシショウマ20150513-3.jpg

 

エラ(ミヤマイラクサ)は人気の高い山菜ですが、
今年はやや遅めの登場です。

素手で採集しようとして、
その密生する毛の痛さに飛び上がった経験が
山菜マニアなら一度はあります。


エラ20150513-4.jpg

  

ハリギリはコシアブラに似ていますが、
荒々しいトゲがあり、見た目の通り野性味の強い山菜です。



ハリギリ20150513-5.jpg

 

ヤブレガサはモミジガサの仲間で同じように食べられますが、
何と言ってもその姿のユニークさ。
初めて出会ってこれほど印象に残る山菜も少ないです。



ヤブレガサ20150513-6.jpg

 

山野草もいろいろ出て来ていますが、今回は2点紹介しましょう。

ウスバサイシンは大きめの葉の下に暗い紫色の花を密やかに咲かせます。

その根には解熱や鎮痛の作用があり、漢方薬に使われます。



ウスバサイシン20150513-7.jpg

 

クルマバツクバネソウもユニークな姿でまさしく名前の通りです。


クルマバツクバネソウ20150513-8.jpg

 

 

2015-05-07

先週の山歩き

山菜の種類も豊かになって来ましたが、
この時期のもう一つの楽しみは山野草。
色とりどりの可憐な花々は虫たちを引き寄せ、人間たちを魅了します。



アズマイチゲ20150507-1.jpg

 

スミレサイシン20150507-2.jpg

 

エンレイソウ20150507-3.jpg

 

イカリソウ20150507-4.jpg

 

アケビ20150507-5.jpg

 

山菜の方も、種類も量もいろいろ採れるので、自分の欲との闘いです。
「来年もまた元気な姿に会えるように」と心に言い聞かせ
適量を摘みます。


採る時期の遅れたコゴミ畑20150507-6.jpg

 

ゴマナ20150507-7.jpg

 

ハンゴンソウ20150507-8.jpg

 

ヤマドリゼンマイ20150507-9.jpg

 

シオデ20150507-10.jpg

 

この時期の山々の姿はまさしく「山笑う」の風情ですが、
そんな様子もご覧下さい。



新緑120150507-11.jpg

 

新緑220150507-12.jpg

 

北アルプス遠景20150507-13.jpg

 

戸隠山20150507-14.jpg

 

 

 

 

2015-05-07

先週の山歩き

日当たりの良い林の中は春爛漫で
開花した花々や木々の若芽で明るいリズムにあふれています。
ショウジョウバカマのピンク色のユニークな形の花は
ユーモラスでもあり愛らしくもあります。



ショウジョウバカマ20150429-1.jpg

 

シュンランは身近で出会えるランの仲間ですが、
その姿は上品で気高く、神々しいばかりですが、
食べられる花でもあり、お吸い物の具に使わせてもらいます。



シュンラン20150429-2.jpg

 

 

クロモジの花は林の中で可憐にひそかに咲いていますが
枝を折って鼻に近づけると、甘いジンジャーの香りがして、
楊枝に使われる香木としての存在価値が分かります。



クロモジ20150429-3.jpg

 

若芽の緑が目にまぶしいリョウブは、
かつて飢饉の時に「かてもの」として穀物に混ぜて利用されましたが、
火を通してもボリュームがあまり減らない特徴を活かした
先人の知恵ですね。
当店ではおひたしや天ぷらにします。



リョウブ20150429-4.jpg

 

高い山に向かう前に道草をして、神代桜を見て来ました。
やや散り始めと言ったところでしょうか。



神代桜20150429-5.jpg

 

雪の消えた標高の高めの林の中には、この時期おもしろいものが出ます。
アミガサタケの仲間のオオズキンカブリタケです。
アミガサタケはフランス料理の高級食材ですが
オオズキンカブリタケも同じような料理法で食べられます。



オオズキンカブリタケ20150429-6.jpg

 

同じ林内にはおいしいシダ類の仲間で
アブラコゴミ(正式名キヨタキシダ)も出ています。



アブラコゴミ20150429-7.jpg

 

日陰の雪が消えたばかりのところではまだまだフキノトウも出ています。



フキノトウ20150429-8.jpg

 

 

 

 

2015-04-22

先週の山歩き

里山の春は進み、ぞくぞくと出てくる野草達。
ツクシやノビロは採りきれません。



ツクシ20150422-1.jpg

 

ノビロ20150422-2.jpg

 

ニワトコやワサビ、クレソンも採り頃になってきました。



ニワトコ20150422-3.jpg

 

ワサビ20150422-4.jpg

 

クレソン20150422-5.jpg

  

しかし、1000m以上の高原はまだまだ雪が残ります。
戸隠一帯も畑の雪はなくなりましたが、
ふもとに近づくとまだまだ雪の世界。



戸隠山遠望20150422-6.jpg

 

戸隠山のふもと20150422-7.jpg

 

雪の残る林20150422-8.jpg

 

こんな状態だと春一番の野草、カンゾウもちょうど採り頃です。 


カンゾウ20150422-9.jpg